生活習慣病

生活習慣病について

生活習慣病は、過度のストレス、運動不足、不健康な食生活、喫煙、過度の飲酒などの生活習慣の乱れにより、発症する疾患の総称です。日本人の死因の1位である「がん」は生活習慣病の1つであり、ほかにも心臓病、脳卒中、高血圧、糖尿病、肥満、脂質異常症、COPD(慢性閉塞性肺疾患)などがあげられます。生活習慣病の多くは進行するまで自覚症状がほとんどありません。

【画像】健康診断

定期的な健康診断で、体の中を知ることが大切です。 当院では40歳~74歳を対象にした「特定健診」を行っています。

生活習慣病の主な疾患

高血圧症

高血圧症(こうけつあつしょう)は、血液が通る血管壁にかかる圧力が高くなり、心臓や血管に負担をかける状態です。
高血圧症は、心臓疾患や脳卒中、腎臓病などの重篤な合併症を引き起こす可能性があります。

高血圧症の症状

  • 頭痛やめまい
  • 動悸や息切れ
  • 目の前がチカチカする
  • 鼻血が出る

もしこれらの症状が出た場合には、早めに医師の診察を受けることが重要です。

当院の診断・治療法

高血圧症の診断は、医師による血圧の測定が基本となります。
通常、血圧が特定の基準を上回る場合に高血圧と診断されます。
治療法は、生活習慣の改善と薬物療法の両面から行われることがあります。

  1. 生活習慣の改善
    塩分の摂取量の制限、飲酒や喫煙の自制、バランスの取れた食事、定期的な運動など
  2. 薬物療法
    血圧を下げる薬の服用

糖尿病

糖尿病は、インスリンというホルモンが十分に働かないことで、血液中のブドウ糖(血糖)が増加してしまう病気です。 糖尿病の主な原因は、体の中で膵臓が自己免疫攻撃を受けて壊れることによって引き起こされたり、遺伝的な要素や肥満、食事の偏り、運動不足など、複数の要因が関係していると考えられています。
血液の中の血糖値が高い状態が長期間続くと、心臓病や失明、腎不全などの合併症につながりやすいので注意が必要です。

血糖とインスリンの関係

私たちが食事を摂ると、炭水化物や糖分などの栄養素は消化吸収されてブドウ糖という形に分解されます。 このブドウ糖が血液中に流れており、血糖値(血液中のブドウ糖の濃度)として測定されます。
一方、インスリンはすい臓という臓器で作られるホルモンです。 食事の後に血糖が上昇すると膵臓から分泌されます。 インスリンはブドウ糖を増えないように抑制するなどの働きがあるほか、血液中のブドウ糖を筋肉や細胞に取り込む働きがあります。
細胞に取り込まれたブドウ糖は、私たちのエネルギーとなります。インスリンが働くことで血糖値が正常な範囲に保たれる仕組みです。

糖尿病の症状

  • 常に喉の渇き
  • 頻尿
  • 体重の急激な増加または減少
  • 慢性的な疲労感
  • 意識障害
  • 視力低下

検査について

尿検査と血液検査を行います。血液検査には2つの方法があります。

  1. 空腹時血糖値の測定方法
    10時間以上絶食した状態で血糖値を測定します。
  2. 75g経口ブドウ糖負荷試験 (75gOGTT)
    • 10時間以上絶食した状態で採血し、血糖値を測定します。
    • ブドウ糖を溶かした水を飲みます。
    • 30分後、1時間後、2時間後にそれぞれ採血して血糖値を測定します。

当院の診断・治療法

糖尿病の治療法はタイプによって異なります。

1型糖尿病

インスリン注射による補充療法が必要となります。

2型糖尿病は

適切な食生活、体重管理、適度な運動、経口薬または必要に応じてインスリン療法が含まれる総合的な管理が求められます。 合併症の予防や管理のために、血圧やコレステロールの管理、定期的な目検査や足のケアなどが重要な要素として加えられます。

脂質異常症

脂質異常症は、体内の脂質(脂肪やコレステロールなど)の異常な増加または減少を特徴とする代謝異常をいいます。
脂質異常症の主な原因は、遺伝的な要因や生活習慣の乱れと考えられています。
遺伝的な要因は、親から子への遺伝によるもので、特定の遺伝子に異常があることが原因です。
生活習慣の乱れには、特に不健康な食生活が原因で高脂肪食の摂取、運動不足、肥満、喫煙などが含まれます。

脂質異常症の症状

  • 高コレステロールや高中性脂肪血症による肥満
  • 皮膚や目の黄色化
  • 脂肪沈着部位の異常や膵炎など

当院の診断・治療法

脂質異常症の診断は、血液検査によって行われます。コレステロールや中性脂肪などの脂質レベルを測定し、異常がある場合に脂質異常症を確定します。 治療法は、ライフスタイルの改善と薬物療法の2つに分けられます。

  1. ライフスタイルの改善
    健康的な食事、定期的な有酸素運動、禁煙などが含まれます。
  2. 薬物療法
    食事と運動だけでコントロールできない場合や、脂質異常症の原因や重症度に応じて、コレステロールを下げる薬や他の薬を処方します。

動脈硬化

動脈硬化(どうみゃくこうか)とは、血管壁にドロドロの粥状物質(プラーク)が付着し、血液が狭くなって流れが悪くなる病気のことです。この状態が進行すると、心筋梗塞や脳卒中などの重大な疾病を引き起こす可能性があります。

動脈硬化の主な原因は高血圧、高脂血症、喫煙、運動不足、ストレス、肥満、食生活の乱れなどが挙げられます。これらの要因が組み合わさることで、血管内に脂肪やコレステロールが蓄積し、血管壁が硬くなることが動脈硬化の発症につながります。

動脈硬化の症状

動脈硬化の初期段階では症状は現れませんが、進行すると以下のような症状が現れることがあります。

  • 急な胸の痛みや圧迫感
  • 歩いただけでも息切れや動悸
  • 突然の頭痛や片麻痺、言葉の話しにくさ

当院の診断・治療法

動脈硬化の診断は、主に医師による身体の詳細な検査や血液検査、心電図などが行われます。
治療法は以下のようなものがあります。
生活改善、薬物療法、場合によっては手術が行われることもあります。

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